マンションやビルには、不具合箇所の修理などを行ってくれる、「アフターサービス」という契約制度があります。一般住宅と同様に、施工箇所によって有効期限が決められており、修理などの対応内容もそれぞれ異なっているものです。
マンション・ビルの改修工事では、どのようなアフターサービスをしてもらえるのでしょうか。今回は、アフターサービスの内容や、トラブルにならないために必要なことを確認してみましょう。
マンション・ビルにおけるアフターサービスとは?
マンション・ビルの安全性を維持するためにも、大規模改修工事後のアフターサービスが必要だと感じているビルオーナーは多いかもしれません。アフターサービスは売買契約(大規模改修工事などの契約も含む)において、物件の欠陥場所の補修を無償で行うことを約束していることになります。
マンション・ビルの欠陥などに関する法律には、瑕疵担保責任などもあります。その場合は民法であり法的責任が発生しますが、アフターサービスは売主の契約上の責任によるものです。契約している場所でなければ、業者のアフターサービスの責任がありません。しかし定期的な点検などを行ってもらえるのであれば、アフターサービス対象外であっても修繕が必要な場所もみつけられるようになります。
欠陥場所に関しての修繕をするためばかりではなく、定期的な点検を中心としたものがアフターサービスの目的であるともいえるでしょう。実際に改修工事後のアフターサービスとして、定期点検を行ってくれる業者も多くあります。
マンション・ビルのアフターサービスの法律と必要性
消費者の意識の高まりにより、昭和40年代後半不動産業界によって、「アフターサービス基準」が制定されました。アフターサービス基準は住宅品質確保促進法といわれており、住宅が10年保証されている元となる法律です。修繕後の快適な生活を保障するためにも、アフターサービスは必要です。
アフターサービス基準とは
アフターサービス基準の元は昭和40年代後半に制定されましたが、実際には平成12年4月1日以降の工事発注分から適用されています。
民法「瑕疵担保責任」もありますが、瑕疵担保責任は隠れた瑕疵に限ることです。しかしアフターサービスは、隠れた瑕疵に限らないとされています。場所や欠陥の種類にもよりますが、1年から10年の保証期間が設定されています。基本は、売買契約(修繕契約など)で定めた内容の範囲内でのアフターサービスです。必要に応じて修繕依頼をすることや、損害賠償請求なども可能です。
アフターサービスでは、瑕疵担保責任よりも広範囲の欠陥場所に関しての補修を、無償でしてもらえます。しかしあくまで、売主(施工会社)との契約上の責任におけるサービスになるので注意をしましょう。
アフターサービスの必要性
アフターサービスは、あくまで契約制度上のサービスと捉えられてしまいがちです。施工業者がアフターサービスを行うことは一般的ですが、最初はアフターサービスに関しても積極的だったのに、年月が経つにつれて連絡がなくなる、というケースもあるのが現実です。問題が生じなければ管理組合側も、わざわざ連絡をすることもありません。しかしアフターサービスの不履行は、法的な問題に発展することもあります。
アフターサービス保障期間経過後に保証箇所の不具合が発覚しても、アフターサービスの対象外になってしまいます。しかし瑕疵が軽微ではない場合は、住宅品質確保促進法(品確法)などの対象になる場合もありますので、あきらめる必要はありません。
アフターサービスを有効活用したい場合は?
施工・改修工事後にアフターサービスを有効活用したい場合は、すべて業者任せにはせず、管理組合でもアフターサービスの内容を理解しておくことが大切です。安心して生活を行うためにもアフターサービスを有効活用し、問題が発生した場合はすぐに依頼をできる体制づくりをしておきましょう。
業者選びも重要
マンション・ビルの管理は基本的に、管理組合(購入者や所有者)自身の責任によって行われます。所有者が管理を行う場合は、施工時にアフターサービスまでの徹底管理を行ってくれる施工業者を選ぶようにしましょう。
契約時の対応によっては、施工業者を変更することも必要です。ほかの面だけでなく、アフターサービスに関しても適切な業者を選んでいきましょう。
まとめ
今回はマンション・ビルなどの改修工事後の、アフターサービスについてご紹介をいたしました。アフターサービスを定期的に実施することで、物件の不具合を発見ができるようになり、適切な対処を進めていけるようになるでしょう。またアフターサービスを有効に活用していくためにも、業者選びや内容の把握なども徹底しておくことがポイントです。
「株式会社 あさひ建装」では、施工後に品質保証書を発行いたします。工事範囲の部分ごとに決まっている保証期間中の不具合に関して、無償補修を行っております。次の大規模修繕までに安心安全に生活をするための、重要なポイントとなるでしょう。従来の修繕の相談とともに、アフターサービスについてのご相談も承っておりますので、ぜひともお気軽にご相談ください。