ビル・マンションの大規模修繕における足場装置選定のバランス戦略

 

安全とコストの狭間で

ビルやマンションの大規模修繕において、足場装置は作業の安全性と効率に直結する重要な要素です。

安全性を確保するためには頑丈で信頼できる装置を選ぶ必要がありますが、過度な安全対策によりコストが

膨らんでしまうこともあります。このブログでは、適切なバランスをとりながら、経済的かつ安全な足場

選定のポイントについて解説します。

 

安全性とコストのバランスをとる方法

1. 法規と最低限の安全基準を把握する

 まずは建設業界の安全基準や関連法規をしっかり確認し、それを遵守しながら無駄を省くことがポイン

トです。最低限必要な強度や耐久性を確保しつつ、過剰仕様によるコスト増を避けることが可能になりま

す。施工会社によっては、「社内ルール」なるものを設定し、法規的にも十分な安全性が保たれている足場

と壁の関係においても、壁つなぎ装置を過剰に設置したり(その際に発生する壁に穴を開ける作業だけでは

なく、足場解体時の壁タイルなどの復旧・補修作業、足場解体の手待ち時間なども増えます)、床面に巾木

を設置したり(こちらも同様です。)と、無駄な工期や費用がかかってしまう事となります。

2. 足場の種類を比較検討する

 足場には「枠組み足場」、「くさび緊結式足場」、「単管ブラケット足場」、「ゴンドラ足場」、そして弊社が

得意とする、足場の設置がほぼ不要である「ブランコ足場」など様々な種類があります。 それぞれの特徴

を把握し、作業内容や建物の構造に最適なタイプを選ぶことで、コストと安全の両立を図れます。

 例えば、くさび緊結式足場は安定性が必要な場合に適しておりますが、十分なスペースが必要であること

と、やや高価となります。対して、単管ブラケット足場は狭いスペースで真価を発揮しますが、若干安定性

に欠けるため、高層マンションンなどの設置には不向きな面もあります。しかし、適正な安全対策をすれば、

それらも十分に対応出来ますし、工期も短くなり安価です。あと、更に狭いスペースでの作業を強いられる

際にはブランコ足場を採用するなど、工夫次第で適正な価格での足場設置が可能となります。

 

3. 設置・解体の効率を考慮する

 施工期間を短縮できる足場を選ぶことで、人件費の削減につながります。例えば、組み立てが簡単なタイ

プを選ぶことで、設置や解体の作業時間が短縮され、結果的に全体のコストを抑えることが可能です。

 

4. 信頼できる業者選び

 施工業者の選定もコスト削減の鍵となります。複数の業者と見積もりを比較し、適正価格で信頼できる

業者を選ぶことで、品質を維持しながらコストを調整できます。

 

まとめ:最適な選択で安全とコストを両立する

 足場の選定において、安全性を確保することは絶対ですが、過剰な仕様によるコスト増も避けたいところ

です。法規の確認、適切な足場選択、施工効率の向上、信頼できる業者選びなどを通じて、安全とコストの

バランスを取りながら、賢い選択をすることが可能です。

 

 大規模修繕のプロジェクトで「安全性も確保しながら、費用を抑えたい」と考えている方々の参考になれば

幸いです。

 

株式会社 あさひ建装